キャリアディベロップメントに関する理論的アプローチは大きく4つに大別できる。
- 構造的アプローチ
- 発達論的アプローチ
- 社会的学習理論アプローチ
- 意思決定論的アプローチ
これら4つのアプローチに関わる理論を解説して行きます。
構造的アプローチ
構造的アプローチとは、個人の能力、性格、何を大事にしているか、興味、関心などとキャリア選択の関係を関連づけて説明したアプローチをいいます。
フランク・パーソンズ
「職業の選択」の中で特性因子論のベースとなる考えを発表
◆3つの仮説
①各個人は必ず他の人とは違う能力、または特性を持っている。しかもこの能力・特性は測定可能 である。
②個人は、自分の能力・特性に最も相応しい職業を選択する。
③個人の能力・特性と職業に求められるスキルが一致すればするほど個人の仕事における満足度は高くなる。
◆カウンセリングの3段階プロセス
①自分自身、適性、能力、興味、資源、限界、その他の資質について明確な理解
②成功するための必須要件や条件、メリット、デメリット、報酬、就職の機会、さまざまな仕事についての展望に関する知識
③この2つの事実の関連について推論すること
エドムンド・ウィリアムソン
特性因子論を発表 ミネソタ大で進路指導する過程で缶セリングの基本的概念を作った。後に、ロジャースとの間でミネソタ論争が勃発(指示的カウンセリングVS来談者中心)
◆4つのキャリア課題
①選択したかったことによる課題
②不確かな選択
③賢明でない選択
④興味と適性のずれ
◆6段階カウンセリングプロセス
①分析段階 問題点を聞いたり、心理検査を行う。
②統合段階 職業や労働情報を収集し、統合する。
③診断段階 問題点を洗い出し、優先順位をつける。
④予後段階 将来の見通しを立てる。
⑤処置段階 カウンセリングを行い、指導助言する。
⑥観察段階 フォローアップして経過をみる。
ホランド
ホランドと言えば”RIASEC”(6つのパーソナリティタイプ)でパーソナリティと環境タイプを説明した。
◆4つの仮説
①我々の文化圏において、大多数の人は「現実的(Realistics)」、「研究的(Investigative)」、「芸術的(Artistic)」、「社会的(Social)」、「企業的(Enterprising)」、「慣習的(Conventional)」の6つのパーソナリティタイプに分類される。⇒”RIASEC”のこと
②環境タイプも6つのタイプに分類される。(RIASECと同じ6つのタイプ)
③人々は、自分の持っている技能や能力が生かされ、価値観を態度で表現でき、自分の納得できる役割や課題を引き受けさせてくれるような環境を求める。
④人の行動はパーソナリティと環境との相互作用によって決定される。
◆その他諸々
①VPI検査 6つのパーソナリティタイプと5つの傾向尺度で構成される。
②RIASECの6角形モデルで互いの距離が近いほど心理学的類似性は高くなる。
プレティガー
プレティガーは、仕事で扱う対象として4つの分野が存在しているとした。(ホランドの理論を参考にした)
①データ
②アイディア
③人
④モノ
ロー(Roe.A)
ローは、パーソナリティを形づくるものとして
①身体的な能力
②親の経済力
③親の養育方法(態度)
情緒型:過保護が過剰要求に分けられる。報酬の良い職業を志向
拒否型:無関心、拒否の連続により、人よりモノ志向となる。他人との関係は金銭的関係が基本
受容型:家族の一員として、愛情をもって受容される。人、モノにバランスよく関わる職業志向
など、様々な要因に関連があることを研究した。(「早期決定論」では、マズローの「欲求段階説(生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、尊厳欲求、自己実現欲求)」を取り入れている。)
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